税務調査の際、税務署職員は「質問応答記録書」という書類を作成します。
 
この質問応答記録書ですが、国税庁が内部向けに作成している手引きによると、以下のように記載されています。

「事案によっては、納税義務者等の回答内容そのものが課税要件の充足のための直接証拠となる事案や、直接証拠の収集が困難であるため、納税義務者等の回答内容を立証の柱として更正決定等をすべきと判断する事案もある。このような事案にあっては、課税処分のみならず、これに関わる不服申立て等においても証拠資料として用いるために、質問応答記録書を活用」する。

 
これは、申述(口頭での回答)も争いの場では証拠となるので、納税者の理解と協力を得て行う質問検査等の一環として作成されるものです。
 
では、この質問応答記録書に記載された内容が絶対的な証拠能力を有するのかというと、それはNoです。
 
国税不服審判所 平成31年4月9日裁決/札裁(所・諸)平30第9号(一部取消)では、質問応答記録書の内容が不完全であったため、原処分庁の主張は認められませんでした。
 
仮に税務調査で誤った回答、確信の持てない回答をしてしまった場合には、その旨をしっかりと主張することが大切です。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事