財務会計によって作成される財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)は過去の情報を表すものあり、視点が未来へと向いていません。
多くの中小企業は来期(もしくは5ヶ年計画など)を立てる際、「前年の10%アップ」のような目標を立てています。
あなたの法人ではどうでしょうか。
前年の○%アップという決め方が悪いわけではない
売上目標を立てる際に前年比○%アップという方法を採用するのであれば、過去数年分の売上推移を分析しましょう。
どの程度伸びているのか傾向がつかめるのであれば、来期も同じような伸び率になる可能性が高いからです。
従業員数や設備により売上の限界値は決まってしまいますので、その辺りをきちんと掴めるかが問題ですね。
利益から逆算する方法も併せて
もう一つお勧めの方法は利益からの逆算です。
まず、以下の3点を検討してください。
1) 来期末時点で、どのくらい預金残高を増加させるか
手元資金の目安は月商の3ヶ月分です。
2) 設備投資予定額
設備投資は決算対策で行うものではありません。
多くの設備投資は減価償却により費用化されるため、期末に駆け込みで行ったとしても殆ど効果が見込めないからです。
事前に計画しておきましょう。
3) 借入金の推移
現在の借入について来期の返済額(元本)を算出します。
また、追加で融資を受けるつもりであれば、その予定額を出します。
4) 減価償却費
来期に計上される減価償却費を算出します。
(1)+(2)+(3)-(4)=目標税引後利益 ・・・ ①
となります。 そして、
①÷60% = 目標税引前利益 ・・・ ②
です。 保守的に実効税率が40%を想定していますが、自社に合わせた実効税率で割り戻していただいて結構です。
②+予想固定費 = 目標限界利益 ・・・ ③
となります。 限界利益とはいわゆる粗利益のことだと思ってください。
固定費には人件費が含まれますので、採用計画や昇給計画を折り込みましょう。
もちろん他の固定費の増減が見込まれるのであればそれも加味します。
最後に、
③ ÷ 限界利益率(粗利率のようなもの) = 目標売上高
これで完成です。
目標を立ててからが勝負
前年比から算出した目標売上高と、利益から逆算した目標売上高を見比べて、あまりにも乖離しているようであればテコ入れが必要です。
限界利益率、労働分配率など色々な角度から予算を見なおしてみましょう。
そして出来上がった予算を活用することです。予算は立てることが目的ではなく、予実管理をすることが目的です。
予実管理とはその名の通り、予算と実績の比較をすることです。
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