はじめに

中小企業の持続可能性を向上させる鍵は、融資の最適化にあり――――。
 
企業が資金調達を行う際には、借入に代表されるデッドファイナンス(debt finance)だけでなく、第三者割当増資や株式投資型クラウドファンディングなどのエクイティファイナンス(equity finance)も存在し、ベンチャー企業や大企業は両者を適切な割合で利用して資金調達をしています。
 
しかし、中小企業にとって最も身近な資金調達方法は融資ではないでしょうか。
 
中小企業の内部に融資に明るい人材がいることは稀であり、顧問税理士が相談相手の担い手となります。ところが、税理士という国家資格はクライアントの税務代理行為や税務に関する相談業務を行うためのものであり、国家試験の学習範囲に融資についての方法論は一切含まれていません。
 
融資について研究をしたことのない税理士は、融資の最適な状態についての知見を持ち合わせていないため、クライアントに対して適切な資金調達のアドバイスを行うことができません。
 
多くの中小企業が資金繰りに困窮し、廃業へと追い込まれていく要因の1つがこの「顧問税理士の融資に対する知識不足」にあると私は考えています。
 
とはいえ、顧問税理士に融資に対する知識向上を要望することにはある程度の心理的ハードルがあるものでしょうし、又仮に要望を伝えたところで改善が見込まれる保証はありません。
 
アドラー心理学には「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。」という一節があります。顧問税理士の考えを変えるのではなく、経営者が自ら学び、会社の未来を変えることのほうがはるかに実現可能性が高いと言えるでしょう。
 
ところで、融資が最適化された状態とはどのような状態を指すものでしょうか。
 
私は、「正しい金額」「正しい方法」で借りること、と定義しています。
 
読者の皆さまもこの2つをマスターすることを最終目標としてください。
 
この記事により一つでも多くの中小企業が救われることを願ってやみません。

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