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まずは冷静に
資金ショートの危機は多くの経営者が経験しているものです。これを乗り越えられるか否かは社長の冷静な判断にかかっています。今こそ経営手腕を存分に発揮するチャンスなのだ、くらいのマインドで望んでください。
まだできることはあります。
現状を把握する
マインド設定ができたら、現状と向き合いましょう。
・現金預金残高の確認(社長個人の資産も含む)
・入金額及び支払額の確認
そして資金ショートの予測日を明確にするのです。
資金繰り表を作る
平常時には月ごとの資金繰表の作成で十分ですが、緊急時には日ごとにブレイクダウンしたものを作成することお勧めします。
過去分だけではなく、翌月分、翌々月分まで予測値で作成してください。この作業は月次のキャッシュフローが少なくとも3ヶ月以上連続で黒字化するまでは継続すると良いでしょう。
対策集
1 売掛金の回収サイトを早期化
取引先に掛け合い、入金を前倒しできないか相談してみましょう。当然、全ての取引先が応じてくれる訳ではありませんが、一部の得意先が支援してくれるだけでも大きな効果があります。また、交渉を担当者に任せるのは得意先の信用を失墜させる悪手です。必ず社長が行ってください。
2 支払サイトを遅らせる
やみくもに支払を上から下まで先延ばしすれば良いという訳ではありません。業務に直結する支払を優先してください。
【優先順位の高い支出】
・人件費(ただし、成果のあがっていない営業などはリストラ対象)
・仕入先(物品販売業の場合)
・外注先(サービス業の場合)
【優先順位の低い支出】
・借入の返済
・税金や社会保険料の支払
3 資金調達
・銀行融資
・親族や知人
・ビジネスローン
・ファクタリング(売掛債権の譲渡)
どのような手段が適切かは顧問税理士に相談すると良いでしょう。
4 リスケジュール
リスケジュール(いわゆる、「リスケ」)とは、借入条件の変更依頼のことを指しますが、多く場合には元本の返済を一定期間ストップして利息のみの支払いに変更することを指します。
リスケをした後は新規の借入が困難になるというデメリットもありますので、慎重に決断するようにしましょう。